一橋大学マルチリンガル勢が贈る、第三外国語概論

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トリリンガルの、その先へ。

!السلام عليكم  真木すきまです。秋も本格化してまいりましたね。

日々にひそむ寒さの予感におびえる今日この頃だと思います。

 

さてみなさん、外国語の単位は足りていますか?

とはいえ、二外で埋める社・法学部勢や、リーディングなど英語の抽選に賭ける学生がほとんどだと思います。

しかしみなさん、一橋のシラバスは二外だけじゃない……そのことに気が付いている方も多いのではないでしょうか。「意外と単位が取りやすい?」そんな声も、聞いたことがありませんか?

 

そこで、今日はデフォルト以外の言語特集として、学生目線で穴場の授業を紹介します。

ちょっと気が早いですが、次に履修を組むときに参考にしてみてはいかがでしょうか!

 

アラビア語

まずはここから。イスラム語圏に2億5000万人の話者を持つこの言語は、中東地域の理解には欠かせない基礎知識です。

言語としての難しさ:シビア

一橋で開講している中で唯一右から書くのがアラビア語。まずはあの独特なアラビア文字を練習し徹底的に叩きこむことから授業は始まります。

でも、格変化は主格・対格・所有格の3つだけ。性も男性名詞・女性名詞の二つと、ドイツ語やフランス語などヨーロッパ語圏の言語に比べれば文法はおそるるに足らずです。

ただ、発音はちょっぴり難しいです。英語にも日本語にもない音が当然のように含まれているため、喉の筋トレにはなりそうですね。

 

授業の難しさ:チョンボ

アラビア語圏に留学経験のある先生がオリジナルテキストとあらゆる語呂合わせを駆使して展開するこの授業は、かなりわかりやすいことで巷では有名。毎回単語五つからなる単語テストを済ませた後は、イスラム式の挨拶を1回に1つずつ習ってから文法解説を受けます。

大学の授業というよりかは、公民館などで開講している市民向けの講座をイメージしてもらった方が雰囲気はつかみやすいかもしれません。十分にゆっくりたっぷりと時間をとった文法解説は初心者でもめっちゃくちゃ分かりやすいです。でも優しい進み方すぎて春夏中に動詞までたどり着かないのが玉に瑕……

期末テストは事前に問題をほぼすべて教えてもらえるので、 ちゃんと出席して授業中に頑張りさえすれば単位は必ず取れるはずです。自信をもってお勧めする授業です。

 

ラテン語 lingua latina

ローマ帝国の公用語であったこの言語は、今なお英語をはじめとする多くの言語の根幹としてその名残を大いにとどめています。クラシック音楽の歌詞や医学、生物学では未だ第一線で使われているんですよ。

言語の難しさ ややシビア

動詞変化と名詞の格変化は二外最難とも噂されるロシア語にも引けを取らない変幻自在っぷりです。ただ、活用は一定の規則に乗則ってなされるため、ルールさえ詰め込んでしまえば難なく理解できるようになると思います。比較的自由な語順もまた、英語やフランス語などに大きく影響を与えているため、二外で学習した言語との共通点も多く見つけることができるのではないでしょうか。

授業の難易度 普通

宗教と文化(古代篇)で古代ローマの宗教についての講義もされている柔らかい雰囲気の先生が開講しているラテン語。文法解説がほとんどで、授業で習った文法を家で定着させるべく宿題は結構多め。ついていくのはそう簡単ではないようです。

ですが、授業の途中にはラテン語歌詞の賛美歌を聞いたり、口頭で会話表現の練習をしたりと、エンタメ要素もあるようです。言語を学習するのが好きな人にはまずおすすめしたい語学です!

 

古代ギリシャ語 Αρχαία ελληνική γλώσσα

ソクラテスやアリストテレスを代表とする初期ギリシア哲学を解するには不可欠なのが古代ギリシャ語。先述のラテン語をはじめとするヨーロッパ諸言語に語彙・文法ともに大きく影響を与えました。

言語の難しさ ドシビ

体系化されていない言語ともしばしば揶揄される古代ギリシア語は、一つの動詞が106種類に変化することもあり、非常に難易度が高い言語のひとつです。ただ、授業はおもに文献を読むための習得なので発音を気にする必要はなく、厄介な文法とだけ格闘していれば大丈夫そう。

たくさんの言語の根源となっているこの言語、戦ってみれば案外他の言語の道しるべにもなるかもしれません。

 

授業の難易度 ややチョンボ

宿題を当てられた生徒が解答した後に文法を解説する形式のギリシャ語の授業は、和訳や文法解析など演習メインの手を動かすタイプ。教科書や例文、解説の合間の雑談には倫理の授業で聞いたような古代ギリシアの哲学者たちが次々登場し、受講者の頭を悩ませます。ただ、先生の気まぐれで期末テストがなくなったり(!)、やりくりさえうまくすれば楽単狙いの人にも、もちろん本気で取り組んで思想の袋小路に入り込みたい人にもおすすめの授業です。

 

 

おまけ ニッチな言語を極める穴場

とはいっても一橋大学は外国語の専門大学ではないので、話者の少ない言語はさすがに用意されてはいません。では、もしサンスクリット語が急にやりたくなったらどうしたらいいのでしょうか?

実は方法が一つあるんです。

 

東京外国語大学をご存知ですか?

中央線武蔵境駅で西武線に乗り換えて二駅のところにある外国語大学。一橋とは複合領域コースの4大学連合のほかに、津田女や電通大学、農工大学を含む『多摩5大学連合』で提携しており、なんとほぼすべての言語の授業を単位互換で履修することができます。

成績はE(可)、F(不可)で決まるので、GPAを気にせず学びに励めますね!

ちなみにおすすめはアフリカで話されているスワヒリ語です。タンザニアで研究されている先生がアフリカの暮らしや彼らの性格にまつわるおもしろエピソードを交えながら繰り広げる授業は一聴の価値ありですよ!

(ただしサンスクリット語はおすすめしません。インドの神々が乱舞するすべての例文があまりに日常生活とかけ離れていて頭が痛くなります。)

 

今回はHASC内に履修者を見つけられなかったイタリア語、ベトナム語の情報もお待ちしています。

言語は4外目からは新しい言語の文法を肌で直感的に理解できるようになるなんて研究もあるくらいです。スマート・強靭・グローバルな人材目指して、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?