マーキュリータワー、タワーと名乗るにはあまりにも脆弱問題


こんにちは。ライターのMC菩薩です。

 

早速ですが、こちらの建物、一橋生の皆さんならご存知ですよね。

 

 

(https://www.mi-gaku.to/l/hitotsubashi/より引用)

 

はい、マーキュリータワーです。

 

一橋大学の東キャンパスにあり、普段は大学院の授業を中心に使用されているマーキュリータワー。就職・留学の説明会なんかにも使われることがあるので、学部生でも一度は訪れたことがあるのではないでしょうか。

 

さて、そんなマーキュリータワーと僕が初めて出会ったのは、かれこれ2年前のこと。当時ピカピカの1年生、キャンパスマップを片手に大学構内を歩きまわっていた僕は、一橋大学の象徴である「マーキュリー」誰もが憧れる「タワー」という2つの単語を冠したこの建物の前に立ち、こう思ったのでした。

 

 

 

「これ、タワーなのか……?」

 

 

 

そう、何を隠そうマーキュリータワーは地上7階建て。タワーと聞いてあんなのこんなのを想像していた僕は、この建物をタワーと呼ぶことに対して違和感を感じざるを得ませんでした。

 

 

 

「これがタワーだとは思えないけど、もしかしたら自分の中のタワーの定義が間違っていたのかも……。」

 

 

 

 

一般的にタワーといえば東京タワーのような先が尖った鉄塔、または何十階にまで及ぶ高層ビルのことを指すような気がしますが、正しいタワーの定義にはマーキュリータワーのような建物も含まれるのかもしれない……。そう思った僕は、すかさず「タワー 定義」で検索してみました。

 

 

 

 

 

 
 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

マーキュリータワー、お前タワーちゃうやんけ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

細くもないし高くもなければ塔でもないマーキュリータワー、もはやタワーの定義にカスるのは建造物であるという点くらい。この状況、わかりやすく図にまとめると以下のようになります。

 

 

マーキュリータワーを巡る複雑な状況がご理解いただけたでしょうか。ちなみに、赤い点が鼻クソみたいになってるのは、ペイントを使って綺麗な点を書く方法がよくわからなかったからです。

 

 

 

マーキュリータワーが見習うべきタワーとは?

 

ただ、勘違いしてほしくないのが、僕は決してマーキュリータワーの低さそれ自体を問題にしているわけではないということ。問題は、「どう考えてもタワーとは呼べない高さなのにタワーを自称するという欺瞞」にあるのです。例えばマーキュリータワーが「マーキュリー中層ビル」であれば、誰もそのネーミングを問題にしないわけですからね。

 

ということで、続いては「タワーと名乗る建造物が本来あるべき姿」として、マーキュリータワーが見習うべき他大学のタワーを見ていこうと思います。

 

 

① 明治大学 リバティータワー

 

(https://www.meiji.ac.jp/koho/campus_tour/guided/surugadai.htmlより引用)

 

まずはこちら、明治大学のリバティータワーです。

 

地上23階、高さは118.95mを誇るリバティータワーは、誰もが認める明治大学のランドマーク。御茶ノ水と神保町の中間に位置し、都市型キャンパスの象徴として堂々の存在感を放っています。

 

僕は小学生時代にここで模試を受けたことがあるのですが、幼心に「大学に入ったらこんなビルで勉強できるのかあ~~~」なんて思ったような記憶があります。内装や設備ももちろん綺麗で明大生が羨ましいですね。都会だし。

 

ちなみに、法政大学にはこのリバティータワーに対抗して(?)作ったボアソナードタワーというのがあり、大学にある「タワー」と名の付いた建物としてはこちらが高さ1位(地上27階 / 高さ122m)。が、正直名前が覚えにくすぎるのでリバティータワーに比べて知名度は落ちる気がします。

 

 

② 上智大学 ソフィアタワー

 

(http://bluestyle.livedoor.biz/tag/%E5%9B%9B%E3%83%84%E8%B0%B7より引用)

 

続いて紹介するのは、上智大学のソフィアタワー。実はまだ建設中で、使用開始は2017年の4月の予定です。

 

「正直現状の四谷キャンパスってそれなりに広い気がするし、こんな巨大なタワーが今さら必要なの?」なんて思っていたのですが、このソフィアタワーの7階以上の高層部は「四ツ谷駅前という立地を生かし、収益を目的とするオフィスビルにする計画」とのことで(上智大学公式サイト参照)、2017年5月からは株式会社あおぞら銀行が入居するらしいです。大学構内に企業のオフィスが入るのって、かなり珍しい事例なんじゃないでしょうか。

 

ちなみに、オフィス部分から得た収益は、「海外からの留学生や遠方出身の学生への支援を目的とした奨学金として活用するほか、本学の教育研究環境の整備の財源とする予定」とのこと。大学の新たなビジネスモデルの先行事例になりそうですね。

 

 

③ 山梨学院大学 50周年記念館クリスタルタワー

 

(http://www.ygu.ac.jp/learning/access/より引用)

 

駅伝で有名な山梨学院大学にも、マーキュリータワーより高い8階建てのタワーがあります。

 

……そう。一橋生がふだん散々バカにしている山梨ですら、マーキュリータワーはタワーとして通用しないのです。ちなみに、今回の調査で確認した全国12大学のタワーのうち、マーキュリータワーの高さ(地上7階)はなんと最下位。明治や法政といった都内の大学はもちろん、北海道や福井の大学にすら圧倒的に高さで負けています。

 

☆全国大学内タワー 高さランキング

1位 法政大学 ボアソナード・タワー 地上27階 / 122m
2位 明治大学 リバティタワー 地上23階 / 118.95m
3位 東京医科歯科大学 M&Dタワー 地上26階 / 125.95m
4位 順天堂大学 センチュリータワー 地上21階 / 91.14m
5位 上智大学 ソフィアタワー 地上17階 / 81m
6位 國學院大學 若木タワー 地上18階 / 80.6m
7位 早稲田大学 大隈記念タワー 地上16階 / 75.75m
8位 天白大学 タワー75 地上16階 / 75m
9位 福井工業大学 FUTタワー 地上16階 / 63.5m
10位 北海道情報大学 eDCタワー 地上10階
11位 山梨学院大学 50周年記念館クリスタルタワー 地上8階
12位 一橋大学 マーキュリータワー 地上7階

 

普段は日本最高峰の文系単科大学、いわば「文系単科大学界の富士山」を自称する一橋大学も、ことタワーの高さに関しては日和山(日本一低いらしい)レベル。タワー界のFラン呼ばわりされても文句は言えません。

 

 

なぜマーキュリータワーは低いのか?

 

ここで、1つ疑問が生じます。

 

 

「全国最下位レベルのマーキュリータワーが頑なにタワーを自称し続けるのには、何か並々ならぬ理由があるのではないか……?」

 

 

いくらなんでも、マーキュリータワーを作った人(たぶんすごく偉い)は「これ、さすがにタワーにしては低すぎじゃね?」という疑問を一度や二度は抱いたはず。それでも計画が修正されず、結果的に「7階建てのタワー」という微妙すぎる建造物が生まれたのには、それなりの理由があると考えるのが自然ではないでしょうか。

 

ということで、ここでは以下の2つの説を唱えます。

 

 

説① 高層タワーを作りたかったが、7階建てが限界だった

 

まず最初はこちらの説。計画当初は「マーキュリータワー」の名にふさわしい高層タワーを建設する予定だったのが、何らかの理由により計画の実行が不可能になり、結果的に7階建てに落ち着いたというものです。

 

何らかの理由としてまっさきに思いつくのが、国立市における建造物の高さ制限の存在。有名な国立マンション訴訟でも問題になったように、市の大部分が文教地区である国立市には都市景観形成条例が存在し、一定以上の高さの建物を建設する場合は事前に市との協議が必要になっています。

 

条例によって具体的な高さ制限の数値が設定されているわけではなさそうですが、この条例や市民の心情に配慮する形で、不必要に高いタワーの建設は行われなかったのではないでしょうか。

 

あとは、国立大学なので単純にお金が無かったのかもしれません。

 

 

説② 本来はタワーを名乗る予定ではなかったが、そうせざるを得なくなった

 

もう1つの説は、何らかの理由によりタワーと名乗るのを強要されているのではないかというもの。説①のような理由から高層タワーの建設を諦めざるを得なくなった段階で「タワー」の名を外すつもりだったのが、謎の組織によって無理やりタワーを名乗らされているのではないか……という説です。

 

ちなみに、謎の組織が何なのかは知りません。謎なので。

 

 


というわけで、ここまで「マーキュリータワー、タワーと名乗るにはあまりにも脆弱問題」を考察してきましたが、その真相は未だ闇の中。これ以上深いところまで突っ込むと何かしらの闇が表出してきそうなので、今回はこのあたりで考察を止めておこうと思います。

 

いつか、この謎が解明されるのを祈って……。

 

以上、MC菩薩がお送りしました。