Tik Tokにハマったので一橋生だしこのアプリを社会学的に考察してみた

コンテンツ

#TikTokerとつながりたい

それです。YouTubeやインスタを見てるとしょっちゅう広告が出てくるやつ。決め顔自撮り動画のアレです。

 

こんにちは、真木すきまです。

春休みの夜長が暇すぎて、前から気になってたくだんのアプリ(読み方はティック・トック)をためしにインストールしてみたんですよ。たぶんスマホにTik Tokを落とした一橋生は私が初めてなんじゃないですかね。

知ってますか、Tik Tok。

うざいとネットで話題?!(直球)

 

でも、あの広告がやかましいと愚痴を垂れているネットのみなさん。

あのアプリ、思った以上に面白いんですよ。

 

社会学的に。

 

Tik Tokってそもそもどんなアプリなの?

Tik Tokとは、中国の会社ByteDance(字節跳動)が2016年11月にリリースし、昨年8月にアジア全土に展開した動画SNSアプリ。日本に上陸したのは意外と最近のことなんですね。言われてみればYouTubeの広告もそのくらいからTik Tokが占拠し始めた気がする。

自分が撮影した15秒間の動画を数万曲から選んだBGMに合わせて手軽に編集し、投稿してシェアするこのアプリ。もとはアメリカで爆発的に流行したリップシンク動画(流行曲に合わせた口パク動画)はTikTokをきっかけに中国でも流行り始めました。

しかし今では広告で私たちがよく見かけるような短いリップシンク動画にとどまらず、ダンスや寸劇、はたまた自分の描いてみた絵を披露するユーザーなど、限られた15秒の使い道はかなり自由に広がりつつあるようです。

閲覧者側は基本的に「いいね」、「フォロー」、「コメント」機能を駆使して無差別に流れてくる投稿をより分けます。

 

自分がいいね!した投稿やフォローした人の投稿がまとめて見られるようにはなっていますが、アプリの動線から推測するに、基本的にはTLのように流れてくるユーザーも投稿時間もばらばらな15秒の短い動画群を下に下にスワイプする簡単な動作を通じて順番にふむふむと見ていくことで、ユーザー同士の新しいつながりの機会を増やしコミュニティの交流を活発化させようとしている意図がうかがえます。

 

陽キャカルチャーにすっかり浸透しつつある新たなSNS

みなさんが想像するように、主なユーザー層は10代後半~20代前半までの若者たちです。クラブのパリピや学校の不良、ガッツリメイクでイケてるやつらはだいたいみんなTikTokユーザー。

「特攻服」なんて言葉生で聞いたの初めてです。マジ卍~

きゃりーぱみゅぱみゅの「ふりそでーしょん」に合わせてド派手で豪華絢爛な成人式の衣装を披露する地元のギャルたちや、Charlie puth の「How Long」に合わせて有名ブランドSTUSSYのロゴを書くおしゃれキッズたち。

基本的にはTikTok内で流行っている音楽はCMのものと同じなのですが、なかにはアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活 」の中に出てくるキャラクター「レム」の声を集めた音源がギャルの間でブレイクするなど、オタク的カルチャーが比較的友好的に受け入れられている一面もあります。何が流行るかはわからないものなんです。

 

「模倣」をベースにした創造性が評価につながるという矛盾

6秒間しか与えられていないVineとは違って、15秒間は見る側にとってほどよく長いです。大体歌詞2~3フレーズぐらいに相当します。

基本的に、動画には引用する曲ごとに「型」のようなセオリーがあります。たとえばこの曲ではダンスのふりつけが決まっていたり、あの曲ではメイクの早変わりを披露したり……

今のトレンドはGagaダンス

 

おそらく、この「型」は投稿への敷居(商学部風に言えば参入障壁)を下げる役割をしています。いきなり風変わりなことをすると、一種の「村意識」のようなものを持っているユーザーに叩かれてしまうからです。「流行に乗っかって真似してみたよ!」の体で動画を投稿することは、一種の深層的な意識の表れかもしれません。

しかし、バズるのは「撮り手が美男美女」または、たくさんある模倣を重ねた同じような動画の中でオリジナリティが傑出しているもの。そのため、バズらせたいユーザーは日夜型の中で個性を出そうと工夫に工夫を重ねています。

模倣がベースなのに、オリジナリティが求められる。この矛盾はなかなか興味深い点だと思います。

 

辛辣なコメント欄に見る、他者への歪んだ批判精神

また、特徴として挙げられるのはコメント欄の民度がマジで低いことです。小学生同士がやりあってるネット掲示板を見るのが趣味な私が断言しますが、TikTokのコメ欄と学校裏サイトのユーザー、大体精神年齢一緒だぞ。

コメントの悪口にはいくつかの傾向があることを発見しました。

1つ目:「ブサイク」叩き

MV風自撮りの根底にあるのは、自分の美貌を人に見せたいという自意識の現れ。そのため、リップシンクの動画の投稿者が少しでも「ブサイク」だと、鬼の首を取ったかのように非難が集中します。

この叩きはリップシンク外に飛び火することも。たとえば、撮影技術に秀でたトリック動画を披露する人気な少年ユーザーのコメント欄を例にとってみると、あまり「イケメン」という部類には入らない彼は「いいね」をたくさん獲得しているわりにコメントがボロクソです。

また、人気アイドルのダンスを踊ろうものなら一斉にアンチがおしよせ、「〇〇〇(アイドルグループ)をけがすな!」のコメントでいっぱいになります。

ただし、自分の体系や風貌をネタにしたりするおちゃらけた動画には人気が集まりやすく、コメント欄も比較的荒れにくい傾向があります。

「ブサイクはしゃしゃんな」。ユーザー層の無言の圧力がここには働いています。

まるで学校のスクールカーストのような無言のヒエラルキーがTikTokには存在し、そこからはみ出た者は容赦なくぼろくそに叩かれる”決まり”になっているのです。嘆かわしいですが、同じクラスに通っているわけでもないのにネット上でもスクールカースト然とした体系がアプリ内社会で立ち現れてくるのは、社会学的にはかなり面白いですよね。おそらくTikTokは、学生にとっては学校のクラスの延長線上のような場なのかもしれません。

2つ目:「モラル違反」叩き

結構意外だと思ったのが、モラルを犯した動画にはちゃんと倫理的観点から非難が寄せられることです。

子供や動物をいいね稼ぎのダシにしたり、お店の中で節操のない動画の撮り方をしたり。そのような動画はほぼ必ず「何もしらない子供がかわいそう」「通行人の邪魔」などモラルにのっとった指摘が行われます。

 

3つ目:「いいね乞食」叩き

「いいねしてくれたらいいね返しにいきます!」「いいねしてくれたらフォローする」など、TikToker(ティックトックやってる人のこと)たちはいいね集めに日夜必死です。しかし、そのような多少せこいやりかたに村の住人は不満なご様子。おすすめに上がってくるHOTな動画(最近いいねをたくさん獲得した動画」にこのような動画が上がっていると「いいね乞食をするな」と叩かれてしまいます。足の引っ張り合いが行われているんですね。

 

動画につけるコメントも、軽い謙遜ならそんなことないよ!とコメントがよせられますが、過度に謙遜のポーズを見せすぎると逆に叩かれてしまいます。ここにも気を遣う必要が出てくるのです。

前述しましたが、この感じ、クラスの雰囲気や声の大きいクラスメイトの顔色をうかがう行為と似てませんか?

出る杭は人によって打たれる。美男美女はなにをしても賛美される。それ以外の人は空気を読みながらおちゃらけて、一軍を楽しませなければポイントが稼げない。

つまりTik Tokは、現代のスクールカーストの縮図を体現している新しいインターネット上のコミュニティなのです。

 

 

ここまで社会学的に考察してみましたが、私は研究対象としてではなく純粋にこのアプリにハマっています。夜ごとにかわいい女の子たちやおもしろい動画のいいねが増えていく、動画を投稿しなくてももう私もりっぱなTikToker。ぜひあなたもこの怠惰な春休み、TikTokを始めてみませんか?

#記事にいいねしてくれたらいいね返します #この記事ぜんぜん面白くない #TikTokはマジ卍