こんにちは! ヒトツマミライターの会津です。
一橋大学ではにぎやかだったサークルの新歓も一段落し、新入生のみなさんは大学にもだいぶ慣れた頃でしょう。
6月のビッグイベントといえば……
そう、KODAIRA祭!
KODAIRA祭といえば、「新歓期の集大成」として一橋大学で例年6月に開催されている学園祭。秋に行われる一橋祭とともに、一橋大学のビッグイベントの一つです。
「KODAIRA(こだいら)」という名前の由来は、かつて小平キャンパスで行われていたことから。
そしてそんなKODAIRA祭を運営しているのが、KODAIRA祭実行委員会。
来場したことがある方なら、黒や白のウィンドブレーカーを着て運営にあたっているKODAIRA祭実行委員、通称「KODA委員」の姿を見たことがあるはず。
そんな委員たちを率いているのが委員長の 鈴木 友菜 (すずき ゆな)さんです。

鈴木 友菜 (すずき ゆな)
社会学部2年。2005年8月生まれ。東京都足立区出身。
座右の銘は“Going my way”。
この記事のライター 会津と同じクラスで1年間英語の基礎を強化してきたご縁があり、KODAIRA祭本番まで1か月を切ったスーパー忙しいタイミングでお越しくださいました。
ライター 会津(以下、会津):本日はよろしくお願いします!
委員長 鈴木さん(以下、鈴木):お願いします~! ちなみに最近とんでもない風邪をひいて。異次元の咳が出るんですけどすみません。
会津:異次元て。なおさら手短にインタビューしたいので、さっそく質問に入らせてください。
まずはKODAIRA祭実行委員会(以下、委員会)について簡単に教えてもらえませんか。
鈴木:KODA祭は現在の名前になったのが1997年で、今年で28回目を迎えます。
委員会には1年生174名、2年生44名の計218名が所属しています。委員会は部門に応じて仕事内容別の7つの「パート」に分かれており、各パートに「チーフ」と呼ばれるリーダーがいるんです。
1年委員は入学後2ヵ月でKODA祭本番を迎えるので、1年委員が仕事をできるよう土台作りをするのが2年委員の役割ですね。
会津:ありがとうございます。6月の本番を終えると、1年委員は来年度の2年委員として所属するかどうかを決めるわけですよね。
鈴木:そうですね、選考なども行って決めます。夏の間で関係性を深め、9月1日に来年度に向けて正式に発足するという流れです。
会津:本番まで9か月以上もかけて準備をしているということですね。KODA祭は委員会内のイベントも盛んなイメージがありますが。
鈴木:新入生を迎えた5月上旬に「KODAフレッシュマンコンテスト(通称KODAフレ)」と呼ばれるイベントがあります。新入生がパートごとに出し物をして、優勝パートには賞金を進呈するという企画です。
会津:KODAフレの準備を通して、短い期間で1年委員どうしの関係が深まるというわけですね。よく考えられてるな……
リーダー経験なしで飛び込んだ委員長のポジション
会津:それではここからが本題、委員長について伺っていきます。どうしてKODAIRA祭実行委員長(以下、委員長)をやろうと思ったんですか?
鈴木:興味があったのはもちろんで、あとは純粋に目立ちたがり屋だから目立つ役職に就きたくて……(笑)
それと、人生のモットーとして「やるなら色んな事に挑戦したい」というのがあって。KODAのどの役職も素晴らしいんだけど、せっかくなら委員長をやろう、と。
会津:不安はなかったですか?
鈴木:なかった! まぁできるかな~~みたいな。
会津:それでしっかり務めてるの格好良いな。もともとリーダーの経験はあったんですか?
鈴木:いや、そういう経験がなくて。部活は平部員で、部活に打ち込みたいから生徒会とかクラス委員みたいなのもやってなかった。クラスでは理科係だったし。
会津:理科係、懐かしい響きすぎる。
会津:続いての質問ですが、周りからどんな委員長と評されてるか教えてください。
鈴木:えーーー……
(近くにいた委員の方を呼んで)私ってさ、どんな委員長だと思う?
委員さん:明るくて親しみやすい!
鈴木:ありがと! たしかにたぶんそう。もっと褒めてくれてもいいんだよ。
会津:では、逆に自分ではどんな委員長だと思いますか?
鈴木:そうだなぁ、すごい自分のこと褒めてごめんなさいなんですけど、冷静に物を見れるのかなと。それが大切な役職ではあります。
でもたまにだらしないところはある。提出する書類遅れたりするけど(笑) 基本的には仕事は早い方だと思います!
会津:たしかに、去年同じクラスで模擬店出した時、ノリノリの森有礼のイラスト爆速で描いてくれたわ。

鈴木:そんなのあったね、懐かしい。あとは、何に対しても挑戦しようと思えるマインドは委員長向きかなと。KODAIRA祭って、一橋祭と比べると歴史も浅くまだ発展途上で、もっといろんな部分で進歩していかねばという思いは委員一同持ってるんですね。それをトップとして実行しようとする心持ちがあるっていうのは向いているといえるのかなと思います。
会津:なるほどなぁ、素敵なお話です。
犠牲にしたものは健康と睡眠。あと勉強とバイトと趣味
会津:続いてなんですが、第28代委員長としてこれだけは語り継いでほしい! という功績があれば教えてください。
鈴木:あーーー、ある。委員会外部の方も関わることなのであまり詳しくは話せないんだけど……
2025年のKODAIRA祭は6月14日(土)、15日(日)に開催されるんですけど、実はこの日程で実施できなくなるかもしれないピンチがあって。
会津:どういうことですか?
鈴木:外部との調整の事情で、どうしても開催日をずらさなければいけないかもしれない、ということが発覚して。3月ごろのことです。
会津:ええ、それ大事件ですよね。
鈴木:予定してた日で開催できないかも、ということが分かったときはめちゃくちゃ泣いた。めちゃくちゃ。
その時点で既に協力してくださる業者さんとの契約を結んでたから、日程をずらすとなると違約になっちゃうわけですよね。そしてなにより委員のみんなの思いがあるし。「しゃーない、ずらそうか」とは思えなかった。
会津:全力をかけてこられたわけですから。そこからどのように動いたんですか?
鈴木:日程を変更する場合の懸念点などを各パートから集約して資料を作り、いろんなところに頼み込んだりして関係先とめちゃくちゃ調整しましたね。
会津:それで最終的には無事本来通りの日程で開催できることになったと。
鈴木:そうですね。さすがに判明したときはちょっと気が動転しましたが……
それでも冷静に対処できたというのは良かったと思います。これがデカめの功績かなと(笑) まぁ委員のみんなのおかげなんだけど。
会津:本当にお疲れさまでした。
鈴木:今思い出してもあれはエグかった。めっちゃ書類作ったね、3時間睡眠とかでした(といいつつ顔を背け異次元の咳をする)。
会津:どうか健康だけは大切にしてください。それに関連していえば、委員長をやるにあたって犠牲にしたものって何がありますか?
鈴木:睡眠と健康。あとは勉強とバイトと趣味。
会津:大学生の全部じゃないですか。
鈴木:私はいろんなことを両立できるタイプじゃないし、やるなら一つのことに全力を注ぎたいから。今も日中は委員会の作業や1年生とのコミュニケーションに使いたくて、オンデマンド授業をいっぱい取ってます。
会津:バイトもやっぱり難しいですか?
鈴木:3月から4月にかけて某ファミレスで働いてたんですけど、店長が頑なに24時までのシフトを週3で入れてくるんですよ。嫌だっつってるのに。3月はちょうど先ほどの一件があったこともあって、無理だーと思って飛びました(笑)
会津:人間の生活スケジュールとは思えません。それほど忙しいとなると休日っていう概念もないですよね。
鈴木:ないかなぁ…… 委員長の仕事柄メールのやり取りが多いから、1日中メールチェックとか書類作成とかしてますね。
会津:そうですよね。せめてもの息抜きはあるんですか。
鈴木:各パートのごはんに誘ってもらったり、1年生のレクに参加したり、そういうのが息抜きです。1年委員がマジでかわいくて。昔はゲームとか好きだったんですけど、最近は全然やらないですね。
会津:仕事も休みもKODA内で完結するんだ。
委員会への思い ~KODAを通じて見てほしい世界
会津:第28回KODAIRA祭のテーマである「Hello, World!」には、新たなステージへの一歩を踏み出した新入生の心持ちが表現されているんですよね。テーマの詳しい解説はKODA祭さんの公式サイトに譲るとして、テーマについての委員長の個人的なメッセージがあればお聞かせください。
鈴木:個人的にはやはりKODA祭を、新しい世界へ飛び込んでいくためのきっかけとして新入生のみんなにとらえてほしくて。私自身、KODA祭を通していろんなことを経験できたので、1年委員でもそうでなくても、KODA祭を通していろんな人やモノにであってほしいんです。KODA祭には様々なかかわり方がありますから。

会津:テーマの考案も当然自分たちで担うわけですよね。ロゴもすごくスタイリッシュですが、デザインも委員会内でするんですか?
鈴木:テーマは9月の発足時にみんなで話し合って決めます。ロゴは「美術装飾パート」という部門の委員が作成してくれましたね。
会津:たとえばロゴを作るにしても知識やスキルが必要かと思います。そういうノウハウはやはり30年近くの歴史の中で受け継がれてきてるんですか?
鈴木:2年委員をやる場合は1年の9月に何もわからない状態で仕事を始めるので、基本的には引き継ぎを読みまくって手探りでやります。私も最初は右も左も分からなかったですね。
会津:その状態からKODA祭当日のクオリティを実現させられるんだから敬服です。
委員会は7つのパートから構成されているということで、それぞれを管理したり調整したりするのは大変なのではと思いますが、いかがですか。
鈴木:各パートの運営はチーフに任せてる部分が多いかな。もちろん団体の基本方針として「こういうことをしましょう」「こういうことはしちゃだめですよ」っていうのはあるんですけど、それらを示す以外は比較的自由にしてもらってます。パートの個性を活かすことを大切にしたいので。
会津:個性豊かなのは人数が多いことの強みですね。
一方でそれだけ人数が多いと、会議や作業の際の雰囲気づくりなど苦労する部分も多いんじゃないですか。
鈴木:真面目にやる時と、はっちゃける時のメリハリはしっかりつけられる委員が多いと思います。そのうえで、普段の話し合いとかは、私自身「どうせやるなら楽しくやりたい」っていう考えがあるので、ギスギスしない、意見が言いやすい環境づくりを心がけてます。
会津:いま楽しくやりたいっていうお話があったんですけど、もっと言葉を選ばずに言うと一橋内では「KODAってチャラそう、遊んでそう」みたいなイメージを持ってる人もいると思うんですよ。委員長から見て実際どうなんでしょうか。
鈴木:まぁ言われますよねそれ。でも、にぎやかなのは良いんじゃないでしょうか。恋愛的な出会いも多いのは事実だろうし、そういった部分も人とのつながりが濃いことの表れだと思います。
会津:イメージ通り、KODA内での恋愛はあるんですね。
鈴木:例年あると思いますよ。私は傍観してますけど(笑) ニチャニチャしながら見てます。
会津:ちなみにそれって入学したばかりの1年生が多いんですか?
鈴木:どうなんだろう、1年生は母数も多いですからね。でも年度によっては2年生も活発(笑)
まぁ、そういう部分からも盛り上げてくれたら何よりです。
読者の方へメッセージ
会津:ヒトツマミの読者には受験生の方も多いんですが、来年の入学時に、こんな人に委員になってほしい!というのはありますか。
鈴木:1年委員に関しては本当に誰でもウェルカムです。個性豊かなほうが面白いから。2年委員は仕事という側面がより強くなるので、能動的に仕事ができる人、責任感がある人かな。あとは組織として活動するので、他人に気を遣える人、社交性がある人というのも大切な要素ですね。
会津:もう一歩進んで、委員長になりたい!という人に向けてもなにかメッセージをください。
鈴木:私よりすごい人になってください。委員長に大切なことって、誰よりも優しくて、誰よりも芯があることだと思うんです。だから私より優しくて、私より芯がある人になってほしい。そしてKODAIRA祭をぜひ前に進めていってもらえればと。
会津:最高かい。
では、来年度の新入生向けに少しだけ、委員会のおすすめポイントを教えてください。
鈴木:とにかく人数が多いので友達がたくさんできます。レクも用意しているので仲良くなりやすいですし。入学直後から確立されたコミュニティにいられる安心感は大きいんじゃないかと思います。こうやって授業の合間にも作業してますし。

会津:たしかにな~~~! 1年生の所属人数は一橋トップですもんね。
そしてKODA祭には受験生もそうでない方も多く来場するわけですが、来場者のみなさんに向けて個人的なイチオシ企画を教えてください。
鈴木:お笑いライブですね。実は、兼松講堂にお笑い芸人の方をお呼びするのは今年が初めてなんです。真空ジェシカ・ママタルト・ターリーターキー・無尽蔵の4組にご出演いただくということで。私はお笑い詳しくないんですけど、すごい人たちなんですよね? みなさんぜひお越しいただければ。
会津:あ、委員長がお笑い好きってわけではないんだ。超豪華な方々じゃないですか、お世辞抜きにめっちゃ見に行きたいです。
2025年度のKODAIRA祭は6月14日(土)・15日(日)の開催です!
みなさまぜひご来場ください!
会津:最後に、今年度の1年生のみなさんにメッセージをお願いします!
鈴木:KODAIRA祭を通じて色んな経験をしてください。委員だったりクラスだったり、いろんな面でKODAIRA祭を楽しんでもらえればと思ってます!
鈴木さん、ご協力ありがとうございました!