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脚本書くのに100~1000時間!?メロスは劇には関係ない!?
みなさん、こんにちは。編集長のぶってぃーです。
今回お届けするのは、新歓公演直前の劇団コギトインタビューです。
今年のコギトの新歓公演は、第一弾が『走れメロスのように』、第二弾が『ぼとぼと』となっていますが、今回インタビューを受けてくださったのは、第一弾公演の脚本・演出を担当している川中子さんと、第二弾公演の脚本・演出を担当している熊野さんです。
デザインが話題のフライヤーについてお話しを伺ったり、脚本作成にどれくらいの時間をかけたのかなど、気になることをバンバン質問してきました!
劇団コギトインタビュー |
ーーこんにちは。ヒトツマミ編集部です。本日はよろしくお願いします。
熊野さん(以下敬称略、写真左)「社会学部3年の熊野です。よろしくお願いします。」
川中子さん(以下敬称略、写真右)「商学部3年の川中子です。よろしくお願いします。」
ーーまず、劇団コギトが普段どのような活動をしているのか教えてください。
川中子「活動は、公演に向けて練習という形になりますね。年によって公演の回数は違うけど、去年は7回やりました。春に新歓公演、夏に7月公演と夏休み公演、秋に一橋祭公演、冬は12月に一年生公演、一年生公演の裏では障害者スポーツセンターでクリスマス公演、そして2月に卒業公演をやりました。」
ーーなるほど。ちなみに劇団コギトは役者以外にどんな役職があるんですか?
川中子「音響、証明、舞台美術、舞台監督、衣装、小道具、大道具、宣伝美術とかですかね。どれも初心者でも十分にやりきれます。」
ーーおお!コギトに入ったら、いろんな経験ができちゃいますね。ちなみに宣伝美術といえば、コギトは公演フライヤーのデザインが素敵なことでも有名ですが、あれはデザイン経験者の方が作られているんですか……?
熊野「いえ、デザイン経験者が作ってるわけではないんです。コギトに入ってから、劇団の先輩からイラレ(ソフトウェアIllustratorの略称)の使い方を教わったりして作ったものです。」
ーーへえ、すごいですね!先輩が教えてくれるというのは心強いです。それでは次の質問なんですが、どうしてお二人はコギトに入ろうと思ったんですか?
熊野「私は、小学生中学生の時に地元の子供劇団みたいなところに入って、ちょっとだけ演劇をやっていたんですよね。でも、私が育った石川県は田舎だから、東京みたいに演劇が盛んじゃなくて。中学校に演劇部はなかったし、高校は演劇部あったけど少しダサかった(笑)あとは、高校時代バドミントンにはまっていたのもあって、演劇のことは忘れてました。でも、大学に入ってひとつだのワークショップで『演劇楽しいじゃん!』っていう気持ちを思いだして『役者やりたい!』ってなったんです。ただ結局オーディションに落ちちゃいました。それで途方に暮れているときに、コギトに入ったんです。」
川中子「僕の場合は、演劇はあまり関係なくて入りました(笑)すごくゆるくやってるわけじゃないけど飲み会をやりまくってるわけでもないサークルを探してて、たまたま引っかかったサークルがコギトだったんです。高校時代は卓球やってて、高校の文化祭で演劇もやったけどあの時は二度とやるまいって思いました。結局今はやってるんだけどね(笑)」
ーーなるほど。お二人がコギトに入ってよかったなと思う瞬間はどんなときですか?
熊野「『劇を作りたい!』って思ったときに、場所も設備も人も揃ってることかな。」
川中子「学食がすごい混んでいる日に、食べ物を買ってきてここで食べていると、コギト入ってよかったなって思います。西生協からめっちゃ近いから(笑)」
(一同笑)
熊野「でも確かに、このアトリエは24時間空いてるから、寂しいときに来れて自分の居場所になるよね。居心地がいい!」
ーー居場所があるって大事ですよね。西生協から近いの本当に羨ましいです(笑)
新歓公演について |
ーー続いて、新歓公演第一弾『走れメロスのように』、第二弾『ぼとぼと』のそれぞれのあらすじについて教えてください。
川中子「(慌てた様子で)えーっと、僕の『走れメロスのように』は、捕まっている奴がいてとりあえず逃げようっていうだけなんだけど……(笑)」
(その場にいた出演者爆笑)
出演者「あらすじくらい用意しとけよ(笑)聞かれるに決まってるだろ!」
川中子「詳しくはフライヤーを見ていただけると助かります(笑)」
ーーわかりました(笑)熊野さんの『ぼとぼと』のあらすじについても教えてください。
熊野「(フライヤーを見ながら)引っ越しの朝、長女が~」
ーーあ、これもフライヤーを見ればいい感じですね?
熊野「はい、フライヤーを見てください(笑)」
川中子「演出無能(笑)」
(詳しいあらすじについては後述)
ーー今回の公演は脚本を一から作っていると聞きました。脚本を仕上げるのにどれくらいの時間がかかりましたか?
川中子「新歓公演に向けて書き始めたのは去年の一橋祭公演が終わった後くらいですね。そのころは今の話の影も形もなくて、全然別のやつを2本くらい並行して書いていました。それがちょっと詰まってきて、なんか違うなって思って書き直してたら、今年の1月くらいに今の劇の原型が見え始めてきた感じです。実際にこれでいこうって思って本格的に書き始めたのは卒業公演が終わった2月の真ん中くらいかな。それで3月の頭に何か所か残しつつ完成しました。今回は30分の劇なんですけど、脚本をかっちり作っていなくて、結構役者から出してもらった言葉をセリフとして取り入れています。」
熊野「私も構想は一橋祭くらいからなんとなくありました。卒業公演が終わってから本格的に書き始めて、3月いっぱいまでちょっとずつ書いて、やっと最近完成しました。だから、脚本完成にかかった時間は合計100時間から1000時間くらいかな。」
ーー100時間から1000時間っていう幅がすごいですね(笑)そんな長い時間をかけて書きあげられた劇がどんな劇なのかとても気になってきました。
ーー今回の公演で、注目してほしいポイントについてそれぞれ教えてください。
川中子「『走れメロスのように』は、コメディなので気楽に観に来てください。メッセージ性とか何もないので(笑)」
出演者「ピングーの真似をするので観てください(笑)あと、突如落語をやるシーンがあってそこも今頑張ってるので観てください。」
川中子「いろいろちゃんと研究して脚本に盛り込んだので注目ポイントです。あと、タイトルは『走れメロスのように』ですが、走れメロスとはあんまり関係ありません(笑)まあでも、メロスがちょっと怒ったり、ちょっと走ったりします。妹もいるし、妹結婚します。」
熊野「『ぼとぼと』では役者の演技に注目してほしいですね。稽古は厳しくやっていますよ。楽しくお芝居しようっていうアプローチは川中子が担当してくれているし、『演劇やるぞ、おらー!』みたいなところは私がやっているから、ぜひ役者の演技に注目してください。引き込まれるはずですね。劇は全体で70分くらいになると思うんですけど、注目せずとも注目してしまう劇になるはずです。シリアスコメディなんで、結構笑えるところあると思う。」
川中子「こいつすごいよね。なんかね、ところどころに出てくる煽りが全部自信ありげなんだよ(笑)」
熊野「立て看板に『岸田國士戯曲賞候補作!?』って書いてるところとか?(笑)岸田國士賞って、演劇界では結構有名な戯曲賞なんだけど、今回の看板にどうしても書きたかったから、『!?』をつけつつ書きました。」
▲『ぼとぼと』立て看板デザイン(この立て看板は現在作成中です。)
川中子「ちなみに気になっていたんだけど、『ぼとぼと』のタイトルの意味って何なの?」
熊野「あ、今回の劇は家族のお話でもあり、愛のお話でもあるんですけど、愛ってぼとぼと落ちていきそうだなって私は勝手に思っていて、こういう名前を付けました。
あと、”ぼ”は”母”、”と”は”父”をイメージしています。」
ーーおお!そんな意味があったんですね。
では、最後にヒトツマミを読んでくれている一橋生へメッセージをお願いします。
熊野「面白い映画を見に来るみたいな感覚で観に来てくれたらなと思います。コギトの劇を観て、『私も一緒に作りたい』って思ってくれたら嬉しいですしね。これからも面白いものを作っていくので、敬遠せずにフラッと観に来てください。観客にとって観なかったときの70分より観たときの70分が豊かになるようにしていきたいと思っています。」
川中子「Twitterでヒトツマミを見に来る感覚で観に来てほしい。ヒトツマミの一番くだらないときと同じくらいのくだらなさがあると思います。」
ーークソコラでしょうか。絶対2つの新歓公演観に行きます。本日はありがとうございました!
いかがでしたか?
熊野さんも川中子さんも明るくて面白い人たちでした。劇団コギトのアットホームな雰囲気に惚れてしまって私もコギトに入っておけばよかったなと思ったほどです。
詳しい公演情報は以下のようになっています。
※フライヤーより13日と14日の開演時間について変更があります!正しくは↑なのでご注意を。
どちらの公演も、場所は一橋大学西キャンパス学生会館1階アトリエです。
無料(カンパ制)なので、コギトに興味がある方に限らず、少しでもお時間がある方はぜひ観に行きましょう!
私も観に行きます。
それでは、以上ぶってぃーがお送りしました!