水一本で一日ストライキ。齊藤教授が105分授業に反対する理由とは?
こんにちは、編集長のたかたです。
みなさん、先日西門近くでこの方を見かけましたか?
西門前でビラ配りをしていたこの方。
一橋大学大学院経済学研究科の齊藤誠教授です。
この日はあることに反対してハンガーストライキをやってらっしゃいました。
齊藤先生といえば大のヤクルトファンで有名。
ユニフォームで授業をするレベル。
そんな先生が何に反対していらっしゃったかというと……
「1コマ105分化」
といういつか実現されるかもしれないとんでもない計画。
この紙を一日中配ってらっしゃいました。
そんな計画に果敢に立ち向かう齊藤教授に、ヒトツマミ編集部が突撃インタビューを行いました。
ーーーよろしくお願いします。まず、105分授業というのは既に決まったことなのでしょうか?
いえ、そういうことではありません。
一橋で具体的に105分授業が導入されようとしているという話ではなく、東大での導入を皮切りに一橋にもその波が押し寄せているのでそれに反対を表明しているということです。
つまり、僕は大学の方針に反対しているとか大学自体を批判しているとかいったつもりは一切なく、一般論として105分授業というものは決してあってはならないのだと主張しているのです。
ーーーわかりました。ではそもそも反対する理由は何なのでしょうか?
実際に東大で導入してうまくいっていないようですし、そもそも導入する前からうまくいかないのは見えていると思うんですね。
よく「昔は授業が100分だった」とおっしゃる方がいます。たしかにそれは事実で、僕が学生だった頃もそうでした。しかし、その頃の授業というのは先生が大体10分遅れで入室し、5〜10分早く切り上げるのが普通だったんです。授業の内容についていえば、今ではシラバスがあって先生と生徒の間で「こういった内容をやりますよ」という約束のようなものがありますが、その頃はそんなものは何もなく、中間試験なんてものも存在しない、とてもゆるいものでした。
そういったゆるい時代と今のような時間通りに授業が始まり、ギリギリまで、あるいは多少延長してシラバス通りにキチッと授業をやるような時代では授業の密度が違うんです。その密度のままで105分授業にしてしまうと先生も生徒も疲れますから、どうしても間に休憩時間を入れたり、早めに切り上げたりすることになってしまう。そうなってしまうと結局授業時間は変わらない。むしろ全体的に見ると総授業時間は減る。本末転倒でしょう。僕自身正直授業には自信がある方ですが、105分ぶっ続けで授業をやる自信はないですね。
以上が僕たち側(授業側)の問題ですが、学生や職員さんにも弊害があります。
今では5限が18時前に終わりますよね。でも105分授業が導入されると5限は19時過ぎに終わることになる。15分増える分で合計15×5=75分遅くなるわけです。そうすると学生であればデートや所属しているクラブ、バイトの時間、職員さんであれば子育てや夕食の準備の時間が削られてしまいますよね。夕方の1時間って結構大きいと思うんです。先日の一橋祭の多様な出し物だって、授業後のみんなの努力の賜物じゃないですか。それなのに大学の方針で夕方の時間を1時間奪うことはよくないでしょう。やはり17~18時以降の時間を学生、教員、職員が自由に使えるような制度の方が私はいいと思います。
ーーーありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。
一橋生のtwitterを見ていても、105分授業には反対する学生が多い様子。
いつから導入されるのか、そもそも導入されるのかどうかはわかりませんが我々学生も齊藤先生同様声を上げていく必要があるかもしれません。
最後に、アポなしでのインタビューに応えていただいた齊藤教授に感謝申し上げます。
(ちなみに、齊藤教授はこの日ミネラルウォーター1本で一日中ビラ配りを行ったそうです。恐れ入ります。)