意識のテッペン調査隊 第一回 川崎絢未インタビュー

意識の頂点には何がある?

こんにちは。ライターのMC菩薩です。

 

突然ですが、最近「意識高い系」っていう言葉が流行ってますよね。元々は「やたらカタカナ用語を多用する」「大した実績もないのにSNSのプロフィールがめっちゃ長い」「スタバでMacBook Airをカタカタしてる」「清澄白河が好き」などの特徴を持った人々を揶揄するネットスラングですが、今ではNHKのドラマのタイトルにも使われるなど、一般にも浸透した感のある言葉です。

 

そんな中、先日僕はふと思いました。

 

「意識高い系が世に溢れているせいで、本当に意識が高い、本当に優秀な人々がとばっちりを受けているのではないか?」

 

そう、意識高い系という概念があまりに世の中に浸透してしまったせいで、本当に意識が高い人たちが不当に生きづらくなっている、そんな気がするんです。

 

例えば、本当にめちゃくちゃ忙しくてやむを得ずスタバでMacBook Airをカタカタしないといけないような場合でも、「意識高い系」と思われるのを嫌うあまりルノアールでカタカタせざるを得なくなる、そんな感じです。

 

そんな世の中だからこそ、本当に意識が高い方々には、思う存分その優秀さをアピールしていただきたい。ということで、新しく不定期インタビュー連載を始めようと思います。題して……

 

「意識のテッペン調査隊」

 

仕組みは簡単。本当に意識が高い、超優秀な方にインタビューをし、最後に次回のインタビュー相手として自分よりもさらに意識が高い人を紹介していただきます。僕はしがない文系大学生なので統計学的な裏付けは全くありませんが、恐らくこれを繰り返していけば、最終的に世界で一番意識が高い人が明らかになるはず。

 

こんな調子で意識のテッペンを調査していくテレフォンショッキングリスペクト企画、それが「意識のテッペン調査隊」なのです。

前置きが長くなりましたが、肝心のインタビューに参りましょう。記念すべき第一回にインタビューしたのは、我らが一橋大学商学部2年生の川崎絢未さんです

 

川崎さんといえば、何を隠そう2014年度の新入生総代。要するに、入試の最高得点者です。2014年度入学生にはお馴染みですよね。

現在、ハーバード大学と日本の学生によるサマースクール「HLAB」の運営や、アパレルショップでのアルバイト、一橋内での新サークルの立ち上げなどで多忙な日々を送っている川崎さん。忙しいスケジュールの合間を縫って、生い立ちから将来の夢までを語っていただきました。

意識のテッペン調査インタビュー


――ヒトツマミ編集部です。今日はインタビューよろしくお願いします。

 

「よろしくお願いします。」

 

――早速ですが、川崎さんの生い立ちについてお伺いします。出身はどちらですか?

 

「生まれは仙台で、3歳から東京に住んでいます。地元の幼稚園と小学校に通って、その後鴎友学園という中高一貫の女子校に入学しました。中3の頃から一橋の商学部に入りたいと思い始め、コツコツ勉強して合格し、今に至るっていう感じです。」

 

――中3の頃に一橋に入りたいと思ったきっかけを教えてください。

 

「将来バイヤーっていう職業に就きたくて、そのためにはマーケティングを勉強したい、でも東大には商学部が無いっていうことで、一橋の商学部を志望し始めました。バイヤーっていうのは主に服を国内外のブランドのコレクションに行ってピックアップして買い付けをし、それを店頭に出すまでの流通全般を管理する仕事で、中3の頃からの私の将来の夢です。」

 

――ありがとうございます。川崎さんといえば2014年度の新入生総代ですが、やはり相当勉強されたんですか?

 

「そうですね、全然器用なタイプではないので、受験生の頃は勉強一色でした。高3の夏休みは1日15時間勉強すると決めて、1回でも休むとダレると思ったので、毎日続けました。超絶追い込んでましたね(笑)。」

 

――1年生の時はひとつだプロダクションに所属していたんですよね?

 

「はい。新歓の時に一目惚れしてしまい、学生の時にしか出来ないことを1年かけてやりたくて、入学式の日に勢いで入部しました。ひとつだは1年間続けて、他にやりたいことがあったので今年の新歓の時に辞めました。」

 

――他にやりたいことっていうのは何だったんですか?

 

「アルバイトに力を入れたかったのと、あとはHLABっていうサマースクールの運営ですね。ハーバード大学と東大や一橋の学生が中心となって、高校生のための8泊9日のサマースクールを作るっていう団体で、それをたまたま見つけたんですよ。私が高校生の時にこういうプログラムがあったら絶対参加したいと思っただろうし、英語も活かせると思ったので、運営に参加することにしました。ひとつだをやっていると夏休みは本当に休みが無いんですけど、HLABなら夏休みが活かせるなって。」

 

――なるほど。

 

「HLABは東京、徳島、小布施、東北の4箇所でサマースクールをやっているんですが、元々始めたのは一橋の人なんです。私が参加するのは東京で、東大の近くの鳳明館っていう古い旅館に高校生と大学生が集まって、8泊9日一緒に生活します。ハーバードの寮のシステムを模倣していて、セミナーっていってハーバードと日本の学生が一緒になって高校生にレクチャーしたり、社会人の方を呼んで講演会をやっていただいたりしますね。大学生や社会人が高校生と身近に、同じ土俵で喋れる場を提供したいと思っています。」

 

――ハーバードの学生と対等に渡り歩くためには、かなりの英語力が必要になりますよね。

 

「そうですね。私は帰国子女ではないですし、海外経験もほとんど無くて、高2の時に1ヶ月だけトロントに留学したことがあるくらいで。高1の頃までは英語は全然出来なくて、でもこれじゃまずい!って思ってその後コツコツ勉強しました。書いて覚えるような勉強はとても苦手だったので、英会話教室に通ったり、音読をひたすらやったりしました。」

 

――先ほど少し話題に上がりましたが、アルバイトはどこでされているんですか?

 

「キャットストリートの Denim & Supply Ralph Laurenで働いています。入った当初から今までずっと販売員の方のお手伝いをする立場だったんですが、今年の8月から自分も販売員として店頭に立てるようになりました。将来バイヤーになるために販売員の経験が必要なので、それを今のうちから培っていこうと思っています。」

 

――アルバイトの他に、将来の夢に向けてされていることを教えてください。

 

「ファストファッションの対義語として『スローファッション』という言葉があって、服がどうやって、誰によって作られたかっていうのをちゃんとわかって着ようという考え方なんですけど、このスローファッションの考えを日本にもっと広められたらいいなと思っていて。それで、古着を通じてスローファッションを日本に広めようとされている女性の方がいらっしゃるんですけど、その人が新しくブランドを立ち上げるお手伝いをしています。あとは、一時的ではあるんですが、9月にニューヨークに行って、現地でバイヤーをされている方や、大学を卒業した後に通おうと思っているファッションの大学の先生にお話を伺おうと考えています。」

 

――ニューヨークの現地の方とはどうやって知り合ったんですか?

 

TOMODACHIプログラムっていう国際交流プログラムがあって、そのプログラムに参加して、私が行きたいと思っている大学に留学している方がいたんですね。その方は北大の経済学部を卒業して、一旦バイヤーになってからまたニューヨークで勉強して、日本に戻ってまた留学して……っていう方なんですが、いわゆる難関大学を卒業してファッション業界で働いている方ってかなりレアなんです。だから、その方のプロフィールを見た時に驚いて、すぐFacebookで検索してメッセージを送り、実際にニューヨークで会うことになりました。」

 

――すごい行動力ですね……!大学在学中に留学される予定はあるんですか?

 

「はい。まだ結果が出ていないのですが、ハーバード大学の選考に出願しました。HLABを立ち上げた一橋の方は、一橋に半期だけ通い、その後併願していたハーバードに入学したという経歴の持ち主なのですが、その方のお話を聞くにつれて、ハーバードで勉強してみたいという気持ちを強く持つようになりました。もし選考に通ったら、行動経済学を学ぼうと思っています。」

(編集部注:後日結果が出て、見事ハーバード大学の選考を通過されたそうです。凄い!!)

 

――続いて、川崎さんが立ち上げに携わっているサークルについて聞かせてください。

 

「来年の6月末に一橋でTEDを開催しようっていうサークルで、現在PACEのメンバーを中心に12人ほどで活動しています。TEDを開催するにはライセンスを取る必要があるので、今はそのライセンスを取る段階です。TEDってルールが凄く厳しくて、講演が出来るのはそのコミュニティに縁があって、かつ有名過ぎない人に限られるので、OBOGを中心に、一橋に縁がある人に講演していただこうと考えています。今は、カンボジアで大学の教授をされていて、TEDxTOKYOにも関わっていらっしゃる方とコンタクトを取り、OBOGの方の洗い出しをしています。夏休み明けにはサークルとして形にしたいと思っていて、具体的なことが色々決まってきたら、メンバーを20~30人くらいに増やすつもりです。」

 

――ありがとうございます。HLAB、アルバイト、そしてTEDのサークルの立ち上げと大変ご多忙な生活を送っていらっしゃると思うんですが、川崎さんの1日のスケジュールはどんな流れなんですか?

 

「これはすごく充実している日のスケジュールなんですけど(笑)、まず3限くらいまで普通に授業に出て、その後アルバイトで服を売り、アルバイトが終わったらTED関係の社会人の方と夕食を食べ……っていう感じですかね。空きコマも普通に課題をやったりしてるんで、特に面白いことは無いんですけど……(笑)。」

 

――休日は何をして過ごしていらっしゃるんですか?

 

「買い物によく行きますね。渋谷や表参道に行くことが多くて、シンプルなファッションが好きなので、古着屋にもよく行きます。あとは映画を観るのも好きで、一番好きな映画は『ホリデイ』っていう作品です。私が一番最初に観た洋画で、その時から本当に死ぬほど観てて(笑)、セリフを覚えるくらい好きですね。」

 

――『ホリデイ』、ぜひ観てみようと思います。最後に、読者の方に向けてメッセージをお願いします。

 

「『意識高い』ワードが並んで、何やらすごい人みたいに思えるかもしれませんが、暇なら1日中ベッドでスマホをいじってグダグダするような、本当に普通の大学生です(笑)。大学生にしかできないことの中に留学だったりサークルだったりがあるだけで、リスクフリーをフル活用してやろうっていう精神だけで生きてます。一回きりの大学生活、楽しみ尽くしてやりましょう!」

――インタビューは以上です。ありがとうございました。

 

「ありがとうございました。」

 

いかがだったでしょうか。川崎さんは僕が自室から一歩も出ず人間タイプライターとしての生活を送っている今この瞬間も東北にボランティアに行かれているとのことで、その好奇心と行動力には本当に恐れ入るばかりです。

 

そんなこんなで初回にして既に意識のテッペンに到達してしまった感がありますが、ここからさらに意識の高みを目指していきます。お楽しみに。

 

以上、「意識のテッペン調査隊 第一回 川崎絢未インタビュー」でした!