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コギトは漢字で書くと「己疑人」です。
こんにちは。ライターのMC菩薩です。
今回は、特別インタビュー企画として、演劇サークル・劇団コギトのインタビューの模様をお届けします。稽古のまっただ中に学生会館1階(地下?)のアトリエにお邪魔し、演出助手・制作広報の日下部さんと、芸術監督の林さんに7月公演「ワン」の見どころを伺いました。
劇団コギト インタビュー
――まず、コギトの普段の活動についてお伺いします。現在の部員数はどれくらいですか?
日下部「48人ですね。1年生が16人、2年生が19人、3年生が6人、4年生が7人です。」
林「それぞれの公演に参加するかは自由に決められるので、全員が毎回参加しているわけではないです。今回の公演に参加しているのは28人ですね。」
――どれくらいの頻度で活動しているのでしょうか。
林「活動の曜日は決まっていなくて、それぞれの役職で来られる人が多い日に稽古をしているという感じです。役者だったら、週に5日くらいでしょうか。」
――役者の他にはどういった役職があるんですか?
林「舞台関係であれば、舞台監督、舞台美術、音響、照明、衣装、小道具などで、他に制作と呼ばれるスタッフもいます。」
日下部「お金の管理やお客さんの対応をする仕事ですね。あとは広報がいて、大学通りのお店にフライヤーを置いてもらったり、他大学の劇団のパンフレットにコギトのフライヤーを折り込んでもらったりしています。これが今回の公演のフライヤーですね。」
――こういったフライヤーなどを作る方もいらっしゃるのですか?
林「そうですね。宣伝美術という役職がありまして、彼らがこちらのフライヤーや看板のデザインをしています。」
日下部「今回の公演は役者が11人ととても多くて、その分残りのメンバーで他の仕事を回さなくてはいけないので、かなり忙しいです。」
――林さんは芸術監督とのことですが、具体的な仕事内容を教えてください。
林「芸術監督は2人いて、1人は音響と照明の連携を図り、プランを考える役職で、もう1人は、フライヤーや立て看板、衣装、小道具、舞台など様々なデザインの統一性を持たせる役職ですね。過去の公演には、デザインがバラバラで衣装と舞台の世界観が全く異なるものになってしまったものもあって、今回から新たに芸術監督という役職を設けることになりました。」
日下部「それまでは演出が全て指示を出していたんですが、ちょっとオーバーワーク気味だったので。」
林「芸術監督とは別に舞台監督という役職もあって、舞台美術がデザインした舞台の設計をしたり、実際に舞台を作っていく上でのスタッフワークの進行をしたりする仕事です。今回の公演では山本という人が舞台監督なのですが、彼が気さくなおかげでスタッフ皆が和気あいあいと作業出来ています。」
――詳しくありがとうございます。こういった公演は年に何回行っているのですか?
日下部「本公演は4月、7月、11月の3回で、他にも1年生主体で行う1年生公演や、卒業生主体で行う卒業公演などがあります。去年は公演数が凄く多かったですね。」
林「夏休みは基本的に公演は無いのですが、やりたい人がいれば小規模な公演をすることもあります。」
――公演の会場は基本的にアトリエですか?
日下部「そうですね。一橋祭公演は30番教室ですが、その他は基本的にアトリエです。」
――続いて、今回の公演についてお聞きします。公演タイトルが「ワン」ということで、あらすじを教えてください。
日下部「人間がロボットに支配されてしまった世界が舞台で、その中で人間がどうやって生きていくのか、というお話ですね、すごくざっくり言うと(笑)。その中には、ロボットに反抗してもう一度人間だけの世界を勝ち取ろうという人たちや、でもこのままでも楽しいよねって思っている人たちなど色んな人間がいて……って感じです。」
――脚本は自作ですか?
林「はい。基本的にコギトの演劇は全て自作脚本です。今回の作・演出の森口というのは一橋の2年生ですね。」
――新歓公演も終わったということで、今回の公演には1年生も関わっているのですか?
日下部「そうですね、今回キャストが11人いるのですが、その半分以上が1年生です。」
林「コギトは上級生が役者をやるというような風潮が無くて、やりたい人がキャストをやれるのが魅力かなと思います。オーディションなども特に無くて、1年生が主役をやることもありますし、大学から演劇を始めた人でも気軽に舞台に立つことが出来ますね。」
日下部「おかげさまで1年生、2年生の部員がとても増えて、キャスト希望者が漏れてしまうこともあるんですが、そういう場合は8月の空いている時期にまた公演やればいいじゃん!っていうスタンスですね。」
林「かなり短いスパンで公演を打っていくので、今回キャストを出来なくても次やればいいかな、という感じです。」
――ちょっと気になったのですが、劇団コギトの「コギト」の由来は何なのでしょうか。
日下部「デカルトの言葉『我思う故に我あり』(cogito, ergo sum)から来ているみたいです。頭のいい人が考えたんでしょうね(笑)。」
林「昔は漢字(己疑人)で表記されることが多かったみたいなんですけど、私が新歓された時『己を疑う人って宗教団体みたいだな……怪しいな……』って思って(笑)。演劇って結構とっつきにくいイメージがあると思うんですけど、『己疑人』っていう漢字表記を見たら余計に新入生が入りづらいだろうなって思って、最近はカタカナで表記することが多いです。当時は部員数が少なくて、いかに新入生を入れるかが本当に大事だったので。」
――部員数はここ2年で急に増えたんですか?
日下部「そうですね。以前は4月下旬に新歓公演を1度だけ行っていたのですが、それだと遅すぎるんじゃないかっていうことで、コギトの幅の広さを見せるためにも最近は結構無理をして4月の上旬、下旬にそれぞれテイストの全く違う作品を上演しています。かなり大変なのですが、結果が付いてきたんじゃないかなと思います。」
林「作、演出を学生が行っているので、公演ごとに劇の雰囲気が全然違って、コギトの色みたいなものがあんまり無いんですよ。新歓公演を2回やることで、そういうコギトの魅力も伝えられているんじゃないかなって思います。」
――なるほど、ありがとうございます。今回の「ワン」の上演時間は70分とのことですが、これは短い方なんですか?
林「短いですね。プロの演劇は基本的に120分を超えますし、学生演劇でも120分を超えるところが多いんですが、私たちはそんなに長くてもお尻痛くなっちゃうな……って思って、なるべく短くしています(笑)。」
日下部「基本的にパイプ椅子なので(笑)。」
林「公演時間は毎回60分から70分程度で、入場無料で予約も全く必要ないので、映画を見に行くような気持ちで気軽に来ていただきたいです。アトリエはわかりづらい場所にあるし、名前も怪しいし、ちょっと敷居が高く感じられるかもしれないんですけど、無料の映画を見るような感じで、帰り道にでもフラッと寄っていただけたら嬉しいですね。」
――では、今回の公演の見どころを教えてください。
日下部「やっぱり、1年生が入ると、劇団の雰囲気が大きく変わるんですよ。演劇初挑戦の子も多いので、そういうフレッシュさを感じていただきたいです。今回の公演を見た上で一橋祭の公演を見ると、コギトの様々な面を知ってもらえると思います。あとは、舞台美術と衣装が凄く凝ったものになっているので、そこにも注目して欲しいですね。」
――最後に、ヒトツマミを見ている一橋生にメッセージをお願いします。
日下部「目立たない場所でやっているんですが、一回もコギトの公演を訪れたことのない人や、立て看板を見て『ワン』っていう言葉だけは何となく頭にあるという人にぜひ来てほしいです。コギトの面白さに気づいていただけると思います。」
――インタビューは以上です。ありがとうございました。
いかがだったでしょうか。学生演劇の世界、奥が深くて興味深いですね。
劇団コギトの7月公演「ワン」は、以下の日程で上演されます。インタビューを読んで興味を持たれた方は、ぜひ足を運んでみてください。さらに詳しい情報を知りたい方は、劇団コギト公式HP、ブログ、Twitterをチェックしてみてくださいね。
以上、「7月公演『ワン』直前!劇団コギト特別インタビュー」でした!
劇団コギト 2015年度7月公演 「ワン」
◆上演時間
7月4日(土)…14:00-/18:00-
7月5日(日)…14:00-/18:00-
7月6日(月)…19:00-
(開場は上演開始30分前、上演時間は約70分)
◆会場
一橋大学西キャンパス学生会館1階 演劇練習室(コギトアトリエ)
◆あらすじ
三人の研究者は全ての機械を操るロボット、「ワン」の開発に成功する。しかし研究者の一人がワンを制御するコントローラを壊し、ワンは暴走する。そして、人々はロボットによって支配された。ロボットは人間をごみ捨て場に捨て、放し飼いをする。そこで人間は「廃材」と、廃材を管理する「再生品」に分別されていた。
※入場無料、予約はこちらより受付