創刊91年目・一橋新聞の伝統と未来
こんにちは。ライターのMC菩薩です。
新歓難民の皆さんと、新歓難民を渇望する皆さんを応援する特集企画・新歓難民WANTED。十回目となる今回は、一橋大学唯一の新聞団体である一橋新聞のインタビューの模様をお届けします。
一橋に関わる様々なニュースをわかりやすく私たちに伝えてくれる一橋新聞、皆さんも一度は目にしたことがありますよね?今回は、そんな一橋新聞の制作現場である部室にお邪魔し、編集長の花田さんにお話を伺いました。
――ヒトツマミ編集部です。今日はよろしくお願いします。
「編集長の花田です。よろしくお願いします。」
――まずは活動人数を教えてください。
「1年生が5人、2年生が1人、3年生が1人、4年生が1人の合計8人ですね。新聞部の引退は一応3年生時なのですが、今は4年生の方にも活動に参加していただいています。」
――1年生が過半数を占めているんですね。1年生でも記事を書けるのですか?
「はい。先日発行した6月号では、1年生の部員が全員1つずつ記事を担当しています。」
――なるほど。となると、1年生が入ってくる前はかなり大変だったんじゃないですか?
「そうですね(笑)。昨年は当時の4年生の方にも手伝っていただいて何とか活動していたのですが、今年は1年生がたくさん入ってくれてかなり楽になりました。本当に助かります(笑)。」
――では、続いて一橋新聞の年間スケジュールを教えてください。新聞の発行は年に何回行っているのですか?
「長期休業中を除いて基本的に毎月発行しています。年に8回ですね。」
――毎月の新聞発行の流れを教えてください。
「前の号の発行が終わったら、次の部会で記事のネタを出し合い、次の一週間で担当を決めて、取材を始めます。その後各自で取材をして記事を書き、校正担当の校正を経て、最後の週で編集、印刷をするという流れですね。」
――記事のテーマを決める際はどのような問題意識を持っているのでしょうか。
「記事には報道記事と企画記事の2種類あるのですが、報道記事で大学の自治などの問題を取り扱う場合は、もちろんそれに関わる問題意識を持って取材にあたっています。ただ、各々の部員はそれ以外にも様々な問題意識を持っているわけで、一橋新聞はそういった興味関心を多様に表現する場でもあると思いますね。」
――ありがとうございます。続いて、部の雰囲気を教えてください。
「1年生が多く、先輩が少ないので、先輩後輩の垣根はあまり無いですね。ちょうどあそこに1年生がいるので、聞いてみましょうか。」
1年生の方「皆さん良い方で、本当にお世話になっています。むしろ迷惑ばかりかけてしまっていて、申し訳ないです!(笑)」
「こんな感じで、フランクに話せる雰囲気ですね(笑)。上下関係も厳しくないですし、新聞を作るという目標のために全員が協力していくので、部としてまとまりがあると思います。」
――花田さんが新聞を書きたいと思ったきっかけとは何なのでしょう。
「僕は大学に入る前から新聞社に入りたいと思っていたのですが、他の部員にも、新聞社志望であったり記事を書くことに興味があったという人が多いですね。」
――一橋唯一の新聞団体として、気をつけていることや使命感のようなものはありますか?
「誤った情報を発信してはいけないという思いはもちろんあって、そのために記事の確認は入念に行います。あと、一番大事なのは、自分の主張をちゃんと伝えながらも、偏った見方の記事にはしないということですね。例えば、異なる立場の対立した意見が存在する問題を取り上げるならば、記事中に両方の立場の意見を取り入れ、学内メディアとして偏った情報を流さないように気をつけています。」
――同じ情報メディアであるヒトツマミにとっても大事なことだと思います。そういえば、私たちもこのようにインタビューを行う機会があるのですが、一橋新聞のインタビュー記事を読むと、やはりインタビューが上手くて感心してしまいます。インタビューのコツなどがあれば教えていただきたいです。
「コツですか……(笑)。インタビューに行く時はもちろん事前に質問を用意していくのですが、こうやって話をやり取りする中で、新たに疑問に思うところが出てくるわけじゃないですか。そういう疑問をメモしていって、気になる所をどんどん突っ込んでいくのが大事だと思います。あとは、ちゃんと相手の顔を見ることですね。心からやり取りしないと相手の本音は引き出せませんから、下を向いてボソボソ喋っているだけでは、いいインタビューにはならないと思います。」
――おっしゃる通りだと思います。ちなみに、最近はどういった方にインタビューをされたのですか?
「僕が最近担当したのは、学長インタビューですね。やっぱり凄く緊張しました(笑)。」
――学長にインタビューする場合、どのようにアポイントメントを取れば良いのでしょうか。
「学長は大学執行部の方なので、要望書を作って学生支援課に提出し、連絡を待つ形になりますね。」
――そんな方法があるのですね、ありがとうございます。続いて、一橋新聞の今後についてお伺いします。近年一般紙でもウェブ版の充実が著しいですが、一橋新聞WEBの拡充など、今後の展望を聞かせてください。
「実は、一橋新聞WEBを先日リニューアルしました。現在は認知度の向上のため広報活動を行っていて、紙面に広告を載せたり、部員ブログを始めたりしています。また、以前一橋新聞では『Hit→You!』という雑誌を作っていたのですが、部員が増えてきたので、こういった雑誌も復活させたいなと考えています。」
――「細田守監督インタビュー」だなんて、凄いですね。
「ちょうど『おおかみこどもの雨と雪』が公開されたタイミングでしたので、インタビューを依頼したみたいです。こういった雑誌は、学内の問題に関係なく自分の興味関心を追求できる場ですので、雑誌制作に興味のある1年生にもぜひ入ってもらいたいですね。」
――では、花田さんの考える一橋新聞の魅力を教えてください。
「一番の魅力は、学内の色々な方とインタビューを通じて交流が持てる所だと思います。あと、自分の書いた物を学内の誰かに読んでもらえる機会なんて、そうそう無いじゃないですか。そういった意味で、大学で一橋新聞を読んでいる人を見かけた時は本当に嬉しいですね。ただ、こういった魅力って、HASCさんにも共通していると思っていて。そこをどうやって棲み分けるかって考えた時に、伝統というのは1つ大きな要素だと思います。」
――伝統ですか。
「一橋新聞は今年で創刊91年目を迎えるのですが、やっぱり伝統を絶やしたくないなという思いは持っていますし、だからこそ1年生がたくさん入ってくれて嬉しいですね。僕も安心して去れるかなって思います(笑)。一橋新聞も時代と共に形を変えてきましたし、伝統は守りつつも、これから新たな形を探っていきたいという思いは持っていますね。」
――では、最後に新歓難民に向けてメッセージをお願いします。
「新聞制作のようなアカデミックなことをやっていると、敷居が高いんじゃないかとか、入ってから死ぬほど働かされるんじゃないかとかいうことを思われがちなんですが、全然そんなことはないので安心してください(笑)。自分の興味のあることを書いてみたい、新聞の編集をやってみたいという思いがある人でもいいですし、あるいは何となく新聞制作に興味があるという人も歓迎なので、ぜひ一度活動を見に来てもらいたいと思います。」
いかがでしたか?一橋新聞の伝統を守りつつ、新たな活動の形を探っていきたいという花田さんのお話、非常に興味深かったですね。
一橋新聞に興味を持った新歓難民の方は、以下のメールアドレスもしくはTwitterまで連絡して欲しいとのことです。
メール:ikkyoshimbun2015@gmail.com
Twitter:一橋新聞info(@hitpress_info)
ちなみに、取材を行ったのは部会の直前。ホワイトボードには、7月号の記事のアイデアが所狭しと書かれていました。
来月号にどんな記事が載るのか楽しみですね。
以上、新歓難民WANTED第十回 一橋新聞インタビューでした!