こんにちは、こんばんは。”違い”が分かるオトナになりたい、ぺこです。
早速ですが皆さん、これまでの人生で自分の好きなアーティストの楽曲の特徴を、上手く説明できなかった経験はありますか?
「YOASOBIっていい曲多いんだよね。」
「どのへんが?」
「なんかさ、すごいさ、可愛くない? いくら。」
と、何度苦し紛れの回答を繰り返したことでしょう。
そこで今回は、この苦し紛れの回答から脱するために、YOASOBIを例にとり彼らの楽曲とその他の楽曲の違いを、データを用いて統計的な観点から「言語化」していきます。カッコつけて言えば、今流行りのデータ分析ってやつですね。
ちなみに、YOASOBIを選んだ理由は、TOP50のプレイリストを眺めていた時に聞いたことある名前が「YOASOBI」と「星野源」くらいだったからです。
コンテンツ
まずは、下準備をば。
このパートはやや専門的で面白くないと思うので、流し目で眺めるくらいで構いません。
その1:用いる楽曲たちについて
今回YOASOBIやその他のアーティストに関する情報は、Spotify APIを用いてSpotifyから集めてきました。そして、分析する楽曲は再生数がTOP10の曲です。
シングルではなくアルバムで聴いてる人が多いんですね。ちょっぴり意外です。
これらを、「今日本で再生回数が一番多い曲(毎週更新)」をテーマに作成されたプレイリスト(45曲)と比較していきます。
その2:分析する項目について
肝心の「言語化」の「言語」の部分にあたります。以下の8項目について分析します。
Danceability:ダンス向きかどうか。テンポやリズム、ビートの強弱から判断するらしい。
Energy:強烈さや活発さの度合い。
Loudness:全体的なデシベル(dB)の度合い。音圧に近い感じ。
Speechiness:歌う部分の度合い。1.0に近いと、トークショーやオーディオブック並みの喋り度合いになる。
Acousticness:アコースティック感が高いかどうか。
Instrumentalness:いわゆる楽器だけ感の度合い。0.5を超えると楽器メインに近い。今回はあまり関係ない。
Liveness:ライブ感があるかどうか。0.8を超えるとライブ感が強めらしい。
Valence:ハッピーな感じだと1.0に、悲しい感じだと0.0に近づく。
Tempo:いわゆるBPM。高いとノリノリ。
てなわけで今回の分析をまとめると、「YOASOBIの楽曲と人気な楽曲をこの8項目で比較して、どう違うかを見てみよう!」ということです。
その3:何となくの挙動を確認してみる。
データを扱う上では地味に大切な作業ですね。
試しに『夜に駆ける』で出力してみましょう。
"danceability": 0.67, "energy": 0.874, "loudness": -5.221, "speechiness": 0.0305, "acousticness": 0.00231, "instrumentalness": 0.0000172, "liveness": 0.3, "valence": 0.789, "tempo": 130.041.
「ふー--ん」って感じですね。歌詞的にネガティブな曲だけどvalence高くね?と思いましたが、あくまで「音」で判断しているみたいですね。長調だと高めなんですかね?(音楽には無頓着なのでよく分かりません。)とりあえず公平な評価をしてそうなことは分かります。
比較のために『群青』も出してみます。
"danceability": 0.719, "energy": 0.87, "loudness": -3.073, "speechiness": 0.0472, "acousticness": 0.321, "instrumentalness": 0, "liveness": 0.187, "valence": 0.732, "tempo": 134.979,
「へぇ~~~」って感じですね。『夜に駆ける』よりダンス向きらしい。活発だけどライブ感が低くなってますね。確かに、疾走感はあるけど皆でノリノリになる感じでもないんですかね。よく分かりません。
それでは、早速結果を見てみましょう。
よく分からない話は終わりにして、早速分析結果を見てみましょう。
?????
落ち着いて解釈していきましょう。
☆のマークが付いている部分が、有意な差がある部分です。Constantはいったん無視するとして、energyとvalenceに一個ずつ付いていますね。
今回は解釈がやや面倒な回析をしてますが、超簡単に言えばYOASOBIは他の人気な曲と比べて「活発さとハッピーさが高い」となります。
「別に大人しくて悲しい曲も多いだろ」と思われる方も多いと思いますが、あくまで歌詞を無視して最近よく聴かれている曲と比較した結果なので悪しからず。
まとめ
というわけで結論
語彙力が低下して言語化に失敗してる感は強いですが、人生なんてそんなもんです。
とはいえ、これであなたも私も違いが分かるオトナに一歩近づいたということで、今回は終わりになります。それではまたね。
(結果の図ではvalenceがvalanceとなっておりました。訂正いたします。気付いたあなたは違いが分かるオトナです。)
おまけ
ちなみに分析はRを用いて、以下の式でやりました。YOASOBI_dummyは、YOASOBIの楽曲かどうかのダミー変数です。ロジスティクス回帰分析というらしいです。
glm(formula = YOASOBI_dummy ~ danceability + energy + loudness+ speechiness+ acousticness + instrumentalness + liveness + valence + tempo, data = Hitt, family=binomial)
昭和ソングや平成ソングを、令和ソングと比較してみてもなかなか面白そうですね。時間があればやってみようかしら。