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からだ思いの初春の狂気。
お久しぶりです、真木すきまです。
国立の桜がとっても見頃ですが、みなさんはもうお花見をしましたか?四月の風に吹かれて散ってしまう前にこしらえたおべんと引っ提げて、大学通りへ行きましょう!
ちなみに私はお花見していません。
春の間お花見もせずに引きこもって鬱々と何をしていたかというと、お茶を混ぜていました。
というわけで今日はお茶の実験の話をします。新歓まっさかりの時期ですが、新入生にお役立ち!みたいな記事ではないので、履修に困ったり入るサークルに困ったりしている新入生は新入生にお役立ち!みたいな記事を読んだほうがいいです。よろしくお願いします。
十六種類には意味があるって、ガッキーが言ってる
みなさん、コンビニでお茶を買いますか? お茶とか水とかを買うとなぜか損した気持ちになりますよね。
水は自分ちの水道で汲んできた方が断然安いし、お茶も然り。ホームメイドあなたのお茶。
しかし、十六茶にはいろいろ入ってて、健康でおいしいのでお得です。
というわけで、自分で十六茶を作ることで、安くて健康で美味しいお茶を実現することにしました!
うまくいったらお金に困っているみんなも真似してみてください。
場所は部室、助手はホタルイカ。材料は家の中をひっくり返したりSEIYUで買ってきたり。かわいい急須もDAISOで買ってきたよ!
ただ机を写しているだけなのにHASCの部室のおぞましい汚さの片鱗が伺えますね。火・金放課後活動しています!ぜひ遊びに来てください(^_^)/
STAGE1 乾きもの
イカ「大豆煮出したお湯とか不味くない?」
すきま「まあでもいろいろ混ぜれば混ぜるほど打ち消しあって最強のお茶が出来ると思うんだよね、無のお茶っつーか」
「サンドウィッチマン理論ね」
おいしいお茶のブレンドのコツは、味の濃いものは少なめに、薄いものは多めに入れることだとか。というわけで、最初は個々に煮出してそれぞれの材料の特性を確かめてみます。
まずは無難に①ポップコーンの素、つまり乾いたトウモロコシ。いわゆる牛の飼料ですね。
茶漉しに浸るほどお湯を入れるといっぱい飲まなければならないので、今回は急須に直入れします。
韓国料理とか行くとコーン茶出されたりするし、そこまでの不安もなくとりあえず五分煮出してみました。
「薄い、あまりにも」
「白湯じゃん」
乾いたトウモロコシよりは茹でモロコシのほうがよかったかもしれないと後悔。しかし嗅ぐとほんのりコーンの香りがします。わ~落ち着く~。味も無難に仄かな甘み。目の前にアメリカのバイオテクノロジーが広がるようです。
次は少し攻めて②大豆。
「ワ、色がついたぞ」
ぼおっと浮かぶ一粒の大豆にどことなく哀愁を感じますね。汚い絵面の右上に移りこんでいるキュートなピンクはお茶請けのいちごだいふくです。
「うーん豆はけっこうエグみがあるね」「味が深いとも言える」「嫌いじゃないけど飲みたい気分には一生ならなそうだな」
次は結構ワクワクして買った③~⑨シトラスチップス!
みかんや河内晩柑、伊予柑など8種の柑橘が入っています。
単体でお茶にするには無理がありそうですが、パキパキ割って急須にドン。
「あ、私これ無理ゲホゲホ」「ほんと?私は結構いける口だわ」「苦味の癖が激しいゲホゲホ」
紅茶とかには合うと思います。ウェスタンらしい味わいです。
コメに混ぜて炊く用の⑩紫米は無味無臭、⑪こんぶだしは当然普通に美味しいよね、⑫~⑯フルーツミックス(レーズン、パイン、パパイヤ、クランベリー、マンゴー)は確実にお茶ではなかったがほんのり甘みがついたフルーティなお湯でした。
さて出揃いまして十六茶はグッチャグチャ。しかし栄養バランスはバッチリデスネ。
ただ、このままでは個性が強すぎるので飲みにくいのが難点。
今度は既製品をいくつかまぜてみます。
STAGE2 既製品のオチャで十六を越えてゆけ
「原材料がいっぱい入ってるやつにしよう」
「ティーバッグも使おう」
というわけでエントリーしたのは以下のオチャ。
17~31:ルイボス香るかさね茶(大麦、米、ルイボス、コーン、麦葉、粟、黍、ハト麦、オーツ麦、キヌア、ライ麦、小豆、杜仲茶、ローズヒップ、ローズペダル、ハイビスカス)
32~40:からだ巡茶(ウーロン緑茶、クマザサ、プーアール、ハスの葉、クコ、みかんの皮、高麗人参、霊芝)
41~48:爽健美茶(ドクダミ、ハブ茶、チコリー、月見草、南蛮黍、大麦若葉、明日葉、ヨモギ)
49、ジャスミン茶
50、ほうじ茶
51、玄米茶
52、抹茶
53、カモミール
54、リプトン
55、煎茶
これをさっきの乾きものキメラに足して、よく混ぜ合わせます。55種のフレーバーの出来上がりです。
試飲~TASTING~
「だいぶオチャらしい色合いじゃない?既製品もだいぶ混ぜたからね」
「いや、でも信用はできないよ。シトラスと大豆と紫米とハイビスカスのフレーバーなんて思い切ったことするブランド、どの種類の商品にもないからね」
「全部の絵の具を混ぜたら黒くなるみたいに、”無”の味がしたらおもしろいよね」
「”無”の味って何?」
しかし、香るとたしかに無臭でした。本当にすべてが打ち消しあっているのかもしれない。
高まる期待に胸を躍らせながら、紙コップで乾杯する女子部員二名、汚部屋にて。気分はさながら女子トイレでこしらえた変身薬を飲むハリーとロンです。
「……無じゃん」
口火を切りぼそりと呟くと、ホタルイカ氏が沈痛な面持ちで頷き返してきた。”無”の味である。マジで。
「なんだろ、豆かな~って思ったら豆の味がするし、ほうじ茶かな~って思ったらほうじ茶の味がする」
「わかる、そして全体的には無個性だよね、力を内に秘めてる感じ?」
「でもまずいわ」
「ネ」
「いちご大福食べる?」
「食べる……」
夏も近づく八十八夜
野にも山にも若葉が茂る
あれに見えるは
茶摘じゃないか
茜襷(あかねだすき)に菅(すげ)の笠
今年度もがんばっていきましょう。