アフリカの笛「カズー」が結構奥深い楽器だった

こんにちは、真木すきまです。めっきり寒くなりましたね。そろそろ日課のピクニックには適さない気温になりそうで困っています。午前授業で終わった日におべんとを持って行って広い公園で食べるのは、たとえ一人ぼっちでもとっても楽しいお昼の過ごし方ですよね~。

 

 

ピクニックといえば、あなたは公園で楽器を吹き鳴らしたことがありますか?私はあります。

 

 

 

この記事では、急に思い切り楽器を吹き鳴らしたくなったあなたにうってつけの、おすすめの楽器を教えます!

 

 

カズーってどんな楽器?

 

カズー(Kazoo)とは、アフリカから黒人奴隷によってアメリカにもたらされた「膜鳴楽器」です。もともとアフリカでは犬を呼ぶ笛として使われていました。

 

写真のカズーの材質はプラスティックで、管の上に空いた穴にはセロファンが貼ってあり、息を吹き込んでこのセロファンを震わせることで音を出すことができます。もともとは真鍮に羊皮紙を貼ったものが使われていたそうです。

 

カズーの魅力その1:まずは圧倒的な安価さ

カズーは大体どこの楽器屋さんでも取り扱っている(大体マラカスやタンバリンなどエスニックな打楽器と一緒に置かれています)のですが、安い。とても安い。

私が使っている(先ほどの写真の)カズーは200円で買いました。金属製のものも置いてあったのですが、そちらも500円。楽天市場で値段で高い順にソートしたところ、一番高いのは4000円か!と思ったらまさかの24本入りでした。

 

新品の楽器として圧倒的に破格。

 

お茶の水のウェブ展開もしている大手楽器店である下倉楽器でも、ドラム・パーカッションカテゴリの中で一番安価な商品がこちら、やはりカズー。

 

 

 

……フルーツシェーカーめっちゃほしい!!!!!

 

 

つまりこの楽器、トランペット一つ買うのと同じ値段出せば実に500本(単位は本でいいのだろうか)買えます。小学校5学年分くらいの人数を賄えますね。月々のおこづかいが100円なわんぱく少年でも、2か月BB弾を我慢すればちゃ~んと手に入るお手頃価格です。

 

しかもこのカズー、次の項で詳しく説明しますが、自分の発声音域次第でいくらでも音階を自在に出すことができます。

この値段でこの音のバリエーション。決まった調しか出せないブルースハーモニカよりも、1円あたりの音色は圧倒的に勝っています。これが「カズーこそコスパ最強の楽器」と断定する理由だ!!!

 

カズーの魅力その2:持ち主の音感次第で自在に音程を操れる

 

先ほど申し上げましたように、カズーは「膜鳴楽器」(私も初めて知りました)だそうです。

笛といっても、厳密にはホイッスルのように吹きこんだ息や指使いで音の高さを変えるのではなく、自分がハミングのように吹きこんだ「声」の高さがそのまま膜を震わせてカズーの音色に変換されて出てくるわけです。

つまり自分の出せる限りの高さ低さがカズーの出せる音域をそのまま決める。これほどシンプルでわかりやすい楽器があるでしょうか!リコーダーのように複雑な運指を覚える必要もなく、ただ好きな歌を唸ればよいのです。

なんてシンプル!

一橋に散歩に来ている保育園児たちでも簡単に好きな曲が演奏できること請け合いです。

 

まあ、つまり音色は吹き手の音感頼りなので音痴の人はこの楽器も苦手なんですけどね。

 

 

カズーの魅力その3:なぜか日ごとに移り変わっていく音色

この楽器、あるジャズ奏者が“The poor man’s Saxophone”(貧乏人のサックス)と称していました。なるほどこの音色、言われてみればサックスに似ていないこともない。ジャズセッションの中でおふざけで使われている動画も多数出ています。

 

しかしこの楽器を言い表すのに、一概に「安っぽいサックスみたいな音色だよ~ん」で終わらせるには何かもったいないと思わせる音色をカズーは持っています。

 

 

これは高いサックス。

 

 

私は高校2年生のときアフリカ好きが高じてこの楽器を見つけたのですが、そのころは音を試しに人に聞かせると「なんか安っぽいバイオリンみたいな音だね」と言われていました。(やっぱり安っぽいのか)

 

 

それから約2年間気が向いたら近所の公園に持って行って息抜きにぷくぷく吹いていたのですが、この記事のためにもう一度人に聞かせたところ「中国の伝統音楽に使われている管楽器に似たなんともいえない味わいがある」と称されました。

 

……なにやら使い込んでいる間に、音色が味わい深く変化したらしい!

 

息の吹きこみ方によってもやはり音色は変わってきて、ゆったりとした息遣いで吹くと上記のようにサックスっぽい味わいが出ますし、凱旋のように高らかに吹き上げるとトランペットのような明るい音色が出ます。

 

 

 また、その日の湿度がセロファンの湿り気が音色に影響してくるのか、カラッとした日には音色に空気が混じって古いラジオでかかっている曲のような音になりますし、じめじめした日にはもったりしたメロウな雰囲気の音色になります。

 

 

使い込み方や吹き方、はたまたその日のコンディションによって様々に変化していく音の感じはカズーを吹く人にしかわからない魅力だと思います。試してみたくなりませんか?

(個人の感想です。調べてもそのように書いてある記事は全くなかったので単なる勘違いということも十分あります。話半分に聞いていてください(笑))

 

こんなところで使われているよ

オーケストラに出てくるような楽器よりは少しチープでふざけた音色は古今東西いろいろな演奏家や作曲家を魅了してきました。

最近ではサカナクションやゆず、東京事変などが彼らの曲にカズーを取り入れた影響で、少しずつ日本のファンの間でもこの楽器の存在を知る人が増えています。手を使わず自分の声だけで演奏できるので、曲の間奏で歌っていないときにギターを弾きながら口にくわえて演奏したり、ハーモニカスタンドに挟んで好きな時に吹き鳴らしたりできるので、バンドマンが曲に新鮮なアクセントを入れたいと思った時にもうってつけですね!

 

しかし、とりわけ私がお勧めしたいのは、天気のいい日に誰もいない公園で、自分の吹きたいように吹きたい曲を思い切り吹き鳴らすこと。ストレス解消にもなりますし、青空に何とも言えない音色が吹きわたっていくのはとても気持ちいいですよ!

 

最後に、カズーを使って演奏した動画を載せておきます。 

 

 

 この演奏技法は一見難しそうに見えますが、巻き舌をうまく使えれば簡単なんです

 

 

是非200円を握りしめて楽器屋に走り、カズーを手に入れて使い込んでください。

カズーを買ったその日から、あなたも立派なカズリストですよ!

 

 

 

 

……カズリストってネーミングめっちゃダサい。