モヤ多摩 第1回 ~南多摩行ってみた~

こんにちは。このたび誕生したキュレーションサイト・ヒトツマミで「○○行ってみた」と題して連載することになりました。鷹・カーンと呼んで下さい。

 僕が担当するこのコーナーではタイトルの通り、色んなところに行ってみます。いくつかの企画を並行してお送りする予定ですが、記念すべき初回、こんな企画をやってみます。

 突然ですが一橋大生の皆様、普段通学やプライベートでどの路線を使っていますか? どの駅を使っていますか?

おそらく、断トツの1位がJR中央線・国立駅で、立川駅も確実に上位に挙がるでしょう。

武蔵小杉駅、登戸駅など私鉄の乗換駅が多く、国立市を通るJR南武線も利用者が多い路線の一つでしょうし、

埼玉県にお住まいの方の中には、JR武蔵野線ユーザーの方も少なくないと思います。

今回僕がお届けするのは、そんな一橋大生の行動圏内にありながらスルーされてしまうことの多い「ローカル駅」にあえて着目して、ローカル駅周辺には何があるのか、はたまた無いのかを検証してみよう! という企画です。

題して

「モヤ多摩」!!(誰かもっといいネーミング思いついたら教えて下さい)

長くなってしまいました、とりあえず一回やってみましょう。

第1回に選んだ駅は……

 

JR南武線・南多摩駅

 まず、南武線について簡単におさらい。

 南武線は川崎ー立川間を結ぶ路線で、駅の半分以上が川崎市に位置するという「川崎市民の足」。

一見(川崎市民以外にとって)、その必要性・利便性が分かりづらい路線ですが、

 

分倍河原で京王線、稲田堤で京王相模原線、登戸で小田急線

 

武蔵溝ノ口、武蔵小杉で東急各線との乗り換えが可能で、

 

(川崎市民以外にとっても)実はすごく便利な路線なのです。

今年3月から快速区間が拡大され、国立市内の2駅(谷保・矢川)をはじめ、東京都内のローカル駅も新たに快速通過駅になったことで、(川崎市民にとって)ますます便利になりました。

 

  

今回ピックアップした南多摩(東京都稲城市)も、快速区間拡大の犠牲となった駅のひとつ。

 

南武線全26駅中利用者数ランキングワースト3に入っている、立派なローカル駅です。

では、行ってみます。 

 南多摩駅の改札を抜け、とりあえずネタを探しに北へ。多摩川に大きな橋が架かっているのが南武線から見えるのを思い出してそこへ行ってみることにしました。

 

橋まで坂道だし暑いし思ったよりデカそうな橋だし正直めんどくさくなりましたが、これをスルーしてしまうとホンマに何もない恐れがあるので、しぶしぶ歩を進めると……

 

東京競馬場が見えて来ました。他に目につくものが無いのでこれだけでテンション上がっちゃいま

す。

 

この競馬場の手前を中央道が走っているのですが、車がビュンビュン走っているのが見えたとき、とっさに思い出したのは、あのユーミンの名曲「中央フリーウェイ」。

 

 

中央フリーウェイ

 

右に見える競馬場 左はビール工場

 

この道はまるで滑走路 夜空に続く

 

ユーミンの言っていたことが事実なら、東京競馬場より手前にビール工場が見えるはず……

 

 

 

あった!

 

南多摩側から見て東京競馬場より少し左に見えるのは、サントリーのビール工場。

 

この位置関係だと、東京から山梨方面に中央道を走ると先に右側に東京競馬場が見えて、その後に左側にサントリーの工場が見えるはず。だからユーミンはあの順番で歌っていたんですね。感動。

 

免許取ったら中央フリーウェイしたいなぁ……

 

 

 

 

 

 

しばらくぶらぶらするものの、予想通り他に見るべきものが見当たらないし何より暑い(この日の最高気温30℃)ので、昼ご飯を食べて帰ることに。

 

 

調べてみると評判の高いラーメン屋があるらしいので、そこをリサーチしよう! と意気込んで

 

行ってみると……

 

(´・ω・`)

 

水曜日なんやけどなぁ…… 持ってないなぁ……

 

 

ぐるりと見渡してすぐ目に入るのは星乃珈琲店だけ。さすがにそれは企画倒れだろうと思い、クソ暑い中とぼとぼ歩いていると

 

 

営業中って出ていなければやっているとは思えない(出ていてもイマイチ信じられない)キナ臭い佇まいの洋食屋。でも確かに日替定食500円は安いですよね(洋食屋の定食でお新香が出てくるのに違和感があるものの……)。

 

 

ここは裏口っぽいので、一応表まで回ってみることに。

 

「きたなシュラン」の企画でもギリギリ通りそうな入りづらい雰囲気。何と言っても、外から中が全く見えないのが不安を煽るのです。

 

 

でも、お腹は減っているし他にお店は無さそうなので意を決して入店。引き戸が妙に重いのがますます不安を煽ります。

 

 

中は昭和50年代にタイムスリップしたかのようなレトロな雰囲気。写真でその様子をお伝えしたかったのですが、屈強なおじさん達が店の大部分を陣取ってタバコをふかしていたので、恐ろしくてカメラを向けることは出来ませんでした……。あの大ヒットドラマ「あまちゃん」に出てきた「喫茶リアス」を薄暗くした感じです。

 

 

おじさん達がみんな「日替わり」を頼んでいるので、私も何が出てくるのか分からないままに「日替わり」を頼んでみました。狭い店内に充満するタバコの煙にむせつつ、待つこと5分。

 

 

 

この日の日替わりはポークソテー。わけの分からない料理じゃなくてよかった、と安心しつつ、いただきます。

 

 

……!

 

 

実家から単身上京して1年、久しく口にしていなかった「オカンの味」を思い出させてくれる優しいポークソテー(作っているのはオジサン)。懐かしさに身も心も温まります。50円プラスすれば大盛りに出来るそうです。南多摩のイチオシグルメ、見つけてしまいました。

 

 

 

 

 

 

僕自身出たとこ勝負でやってみた「モヤ多摩」第1回、これにて終了です。中身の薄さをツッコむ声がたくさん聞こえてきますが、それが南多摩の結論です。舗装された広い道を大型車が通過する街、それが南多摩なのです。

 

 

それでも訪れると「中央フリーウェイ」の世界観を垣間見たり、優しい洋食をいただいたりすることが出来ます。皆さんが何かの機会に南多摩駅で下車することがあれば、この記事を思い出してぶらぶらしていただければ、と思います。今回僕が見つけられなかった南多摩を見つけていただければ、なお嬉しいです。

 

 

ではまた、次なるローカル駅でお会いしましょう。